スキャナダークリー
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/06/11
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映画館で腰を抜かしそうになった、驚異のロトスコープアニメ。
全編が実写をトレスして作成されたアニメーションで構成されている。
実写の生々しさ、アニメの整理された情報、微妙な歪みやノイズ
それらの全てが相まって、観た事のない摩訶不思議な視覚刺激の洪水が押し寄せる。
心地よい気持ち悪さ。題材がドラッグなのと上手くマッチングしている。
原作がフィリップKディックなので話も渋い。
BD化されていたので、高画質と、何よりもメイキング目当てに購入。
映画館視聴時は特殊な方法(フラッシュのモーフィング的な事を想像していた)や、独自のソフトをうまく使って制作しているのだと想像していた。
しかし、その予想は裏切られ、(私の知るアニメ現場と同様に)恐ろしいまでに泥臭いアニメーター達の、努力と、根性と、インティオスと、MACで創られていた。
一応専用ソフトはあるようだが、トレスをしやすくする程度のもので(フォトショップに全フレ持っていっていたらそれだけで今世紀が終わるだろうし)
基本的には手でトレスしている様子。
アニメーションの心得のある、いわゆる「アニメーター」が職人芸で連続性を保っているようだ。
凄い。凄すぎる。
宮崎さんの言うようにアニメーターというのは、国籍関係なく普通じゃない生き物のようだ。
存在することが奇跡の一本。
実写をトレスする事によって、動きや、色分け、色の変化、撮影手法等、アニメの表現方法に対する示唆を多分に含んでいると思う。
「アニメ」が通例として無自覚に処理している部分に気づかされる。
「アニメーション」そのものが好きな人は是非視聴をお勧めしたい一本。